今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
昨年11月12日(日)午後1時より開催された第3回がん撲滅サミットは約1000人の参加者をお迎えし、大盛況のうちに終了いたしました。
しかしサミット終了後に、「がん患者の皆さんが多いのだから公開セカンドオピニオンの時間を多くして国のお話は減らすべきだ」とのご提案がありました。患者さんやご家族のお立場からすれば、もっともなご意見と存じます。
しかしながら当日、この会場には厚生労働前事務次官の二川一男氏をはじめ、和泉総理補佐官の名代として鎌田光明内閣審議官兼健康・医療戦略室次長、また加藤勝信厚生労働大臣の名代として厚労省・健康局長の福田祐典氏、がん疾病対策課 佐々木課長、大谷課長補佐ら厚生労働省の重鎮が足を運んでいらっしゃいました。
こうした皆さんが、実際に小林久隆先生の講演をその耳で聞き、スクリーンに浮かぶ鮮やかな映像をご覧になり、しかも公開セカンドオピニオンで患者の皆さんが真剣に小林先生にご質問をされておられる姿を目の当たりにされたのです。
しかも公開セカンドオピニオン開始から数分後に国立がん研究センター東病院院長 大津敦先生が自己紹介の中で語ってくださった「2018年3月に国内初の治験を開始したい!」との強い宣言に、ステージ上ばかりか会場内に衝撃が走り抜けました。一大スクープとばかり携帯を片手に会場の外に走り出す方々もいらっしゃいました。
しかし、まだ国内では治験開始までに膨大な作業が残っており、それが実現するかどうかは見通せない状況でした。
ところが第3回がん撲滅サミット終了後。厚労省内に光免疫療法の勉強会を設置しますという連絡が厚労省の方から私にあったのです。(もちろん私も大会終了後、厚労省に足を運び、国内治験が早期に実現するようご依頼もさせていただきました。)つまり、小林久隆先生の情熱と実行力、大津先生の決断、三木谷会長をはじめとするアスピリアンジャパンの皆さんの尽力。そして第3回がん撲滅サミットにご来場された皆さんの情熱の力。
こうした要素が一致した結果、2018年3月、国立がん研究センター東病院での光免疫療法治験開始のニュースが配信されたという次第です。
がん撲滅サミットはオールジャパンでがん撲滅を目指す。そのためには行政にも参加していただき、抗議などしなくても患者の皆さんの声や新しい治療法の存在を彼らにも知っていただく。その結果として、1日も早く患者の皆様の手元に、その治療法や治療薬を迅速に届ける。
実は、がん撲滅サミットが官邸や厚労省の重鎮に講演をご依頼している理由は、この一点に尽きるかと存じます。
そう、国と民間が力を合わせなければ、がん撲滅の夢は叶わない。私は、あえて断言致します。しかも医師の皆様が持っていらっしゃる医師免許は国家から与えられたものです。国が、その人物を医師と認めるという行為は、国家はもちろん国民に対して、その医師が力を尽くすことを期待しているからです。
国が定めた医師法の第一条には、こう書かれています。
『医師は医療及び保健指導を掌ることによって公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする』
だからこそ国と医療者、そして患者の皆さん、御家族の皆さん、さらに働き方改革の中枢に座る企業群の皆さんといった経済界の力が結集しなければ、この国にがん撲滅という大きな変革をもたらすことは困難だと考えますがいかがでしょうか。
只今、第4回がん撲滅サミットの準備に向けて少しずつ準備を進めております。昨年通り、国と民間からご登壇をいただくことになりますが、これは以上のような理由からです。
皆さん、ぜひともこの理念をご理解いただき、引き続き第4回大会をご指導ご支援いただけますと幸甚に存じます。
御多忙と存じます。どうぞご自愛ください。
中見利男拝