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  • 『不易流行と武士道2023』~今こそがんを撲滅しよう!

    かつて旧約聖書の預言者イザヤは、こう言いました。

    救世主の条件の1つは病を知っていることだ、と。

    つまり彼によれば、がんや心臓病や難病などの患者から救い主が生まれるとされています。そうです。見方を変えれば、今、将来の救世主たちは病院や病床にいると言っても過言ではありません。

    想像してみてください。

    たとえば、がんから生還した子供たちは、イザヤの言うように将来素晴らしい政策立案者として世界を変えるかもしれない。 

    もしかしたら、人々に夢と希望を見せるために芸術家になるかもしれません。

    あるいは、彼らは医学博士や科学者になるかもしれません。

    いや、もっといえば、彼らはがんを本当に根絶する素晴らしい治療法を開発することができるかもしれない。

    それだけはありません。病を克服した彼ら、彼女たちは家族に笑顔と喜びを与えてくれるのです。

    今度は具体的に言いましょう。

    それまで肉腫と闘ってきた故・大滝葉子さんは自身のブログで『まつり』という名前で日々起きたこと、公園で素晴らしい花を見つけた話、またご自身の大好きな食べ物や闘病生活の中で起きた悩みを気の利いたジョークと共に綴り続けました。

    同時に彼女はロマンあふれる絵画を描き続け、いくつもの感動的な作品を世に遺しました。そして生前の大滝葉子さんの夢はいつか個展を開くことでした。

    先日、その大滝葉子さんの個展が主役不在ながら長野県善光寺近くのギャラリーで開催されました。2023年5月26日のことです。前述のようにこの個展は大滝葉子さん自身が絵画を運び入れたり展示を指示したものではありません。では、なぜ開催できたのか。それはブログを通じた友人たちが開催に向けて尽力したからです。そのほとんどががんと闘う患者の皆さんでした。

    では、なぜ彼女たち、彼らは個展開催に向けて動いたのでしょうか。それはサポートした皆さんが、まつりさんのブログで心を癒され、その作品に心を動かされ、彼女によって生きる勇気を与えられてきたからです。

    そうです。大滝葉子さんはがんで戦う人々の、まさに心の泉となって希望と癒しを与え続けていたのです。そして死後、彼女の夢を実現させるため多くの人が結集したのです。そうです。彼女はご友人にとって頑張って今を生きるための心の救世主その人でした。

    しかし大滝葉子さんの死が肉腫であったように今も人類はがんのリスクに直面しています。同時に私は大滝さんが肉腫から生還し、ブログを綴り、絵を描き続ける人生を送らせてあげられなかったがん医療の現実を改めて悔しいと思います。

    だからこそ私は世界中の研究者にがん撲滅を呼びかけます。

    病院や病床にいるあの人々、子供たち、病床にいる人たちを、そう将来の救世主たちを皆で力を合わせて救い出そうではありませんか。

    人類をがんから解放しようではありませんか。そのためにまず、世界中の研究者が協力して、2025年をがん予防薬開発元年にしましょう。

    旅先でも、自宅でも、オフィスでも、いつでも持ち歩ける予防薬を。

    日本ではすでに、ノーベル賞候補の坂口志文教授が、がん予防薬の開発に着手しています。

    世界中のがん患者さんのメガデータを解析し、AIと一緒に最適な治療薬と共に予防薬を開発するのです。

    さらに、がん撲滅に向けて国の仕組みを変えていきましょう。患者にも心暖かな治療を受ける権利があるはずです。古い仕組みを我々の手で新しいがん撲滅への仕組みに変えていきましょう! 

    執念の力で。

    私事で恐縮ですが、私の腎臓は両方とも機能を停止しており、新しい腎臓が1つだけ動いています。これは妻が提供してくれたものです。私は妻の腎臓によって生かされているのです。救われているのです。

    実は彼女の腎臓を提供されてまで命永らえるべきかどうか迷っている私に、妻はこう言いました。

    「生きて頑張って世の中に貢献してほしい」と。

    そしてこの時から私は自分に何ができるのかを考え始めました。

    何か世の中に理不尽なことで困っている人々はいないだろうか。もっと仕組みを変えることで生きる希望の持てる、より良い国にするような出来事はないのだろうか。人間1つぐらい心の中にそういう聖域を持ってもいいではありませんか。いや、持つべきです。私の場合は世の中の仕組みを変えて弱い人々の立場を救おうというものでした。

    そのころ、身内にがん患者が複数生まれました。必死で治療法を探すために妻とパソコンと向き合ったことを昨日のように思い出します。がんに罹患する国民は2人に1人。そして3人のうち1人ががんで亡くなっているという現実に直面したのです。なぜ国民病になっているのに放置したままなのか。このときから私は妻との約束を果たすためにがんを撲滅しようと決意しました。

    ちなみに、腎臓だけではありません。2020年の心筋梗塞以来、私の心臓は20%しか動いていません。

    医師はこう言います。「中見さん、無理をしないでください。今の状況ではあなたの心臓がいつ止まるかはわからない」

    しかし私は一度決めた以上、妻との約束を果たすため決してあきらめずに前に進みます。

    皆さん、人類をがんから解放しようではありませんか。

    私たちの世代で、がんを撲滅しよう。病床にいる、あの未来の救世主たちを救いましょう。

    1人ひとりが立ち上がれば、やがて世界は変わるのです。

    我々にはそれができるのです。

    なぜなら、「不可能」は「可能」を生み出すからです。

    恐れることはありません。

    さあ、世界の患者さんのために、今、行動を起こしましょう。

    がんを撲滅しましょう!

    最後に、古代ローマの哲学者セネカのことわざを紹介します。

    「物事が難しいから、出来ないのではない。勇気がないから難しくしているのだ」

    皆さん、世界がん撲滅サミット2023 in OSAKAにどうぞご来場ください。

    希望の光はいつもここにあるのです。

    世界がん撲滅サミット2023 in OSAKA 提唱者メッセージより


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PROFILE / 作家経歴

1959年、岡山県生まれ。作家、ジャーナリスト。該博な知識と徹底した取材力でドキュメンタリー、評論、解説書など数多く手がける。特に古代史と暗号をリンクさせた暗号系ミステリの第一人者で「2001年度本の雑誌が選ぶ総合ベスト10」で第7位にランクインされた『太閤の復活祭』(『秀吉の暗号』として文庫化・角川春樹事務所)や『ニュートン極秘文書』(宝島社)など話題作が次々にヒット(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
『救世主の条件 下 角川文庫』より

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