『不易流行と武士道2019~患者の権利について~』

 立春も過ぎて暖かな日々と冬の厳しさが繰り返されているこの頃ですが、皆様におかれましては益々ご健勝のことと存じます。
今年に入って患者の権利に理解を求める方々のお声が私の方にも寄せられております。たとえば、すい臓がんサバイバーですい臓がんカフェ+αを主宰されておられるハマリョウさんは患者の権利として以下の5点を提唱されておられます。

 それは患者の求めがあれば、
「(1)治療記録を記載した紹介状を速やかに発行すること。
(2)画像データの開示
(3)手術後のがん組織の提供
(4)がん拠点病院として、その患者の治療経過のデータ保存
(5)紹介状発行後の継続治療の保証と治療拒否の撲滅」
 というものです。
 これを読ませていただいて、もっともなお話だと思います。

 私も大病のオンパレードでしたから、こういう紹介状の拒否も経験したことがあります。しかも意図的にその手術をしている病院の誹謗中傷をすることで治療を受けさせないように対応していた病院のことも知っております。

 「中見さんの症状では手術は無理ですよ。あちらも受けてはいただけないと思います」と語る主治医に医師法の話まで持ち出して応対したこともあるので、ハマリョウさんをはじめとする多くのがん患者の皆さまのお気持ちが痛いほどわかります(このとき先方の医師はもちろん手術大丈夫ですと仰っていただきました)。

 皆さん良識ある医師の方々ばかりですが、しかしそれでも医療者の中には相対するライバル関係にある医療機関や治療法のことは、あえて学ぼうとせず、患者を自分たちの領域に縛り付けておきたいという方々が少なからずいます。

 もちろん治療の主役は患者の皆さんです。ですから生きるために、ある時は立ちあがらねばならないことがあるのです。

 私も患者の権利の確立に向けてご支援を惜しむつもりはありません。ハマリョウさん、皆さん、患者の権利の確立のために応援させていただきます。

 ご多忙と存じます、皆様どうぞご自愛ください。被災地の復興を心より応援させて頂きます。

中見利男拝

タイトルとURLをコピーしました