秋麗の候、皆様におかれましては益々ご健勝のことと存じます。
しばらくぶりのHPの更新です。
以下、世界がん撲滅サミット2021 in OSAKA開催に向けて!をお届け致します。
『世界がん撲滅サミット2021 in OSAKA』がいよいよ12月5日(日)午後1時より大阪国際会議場で開催される。
現在の新型コロナウイルスの状況からすれば当日は無事に有観客での開催となりそうだ。すでに大阪、東京、北海道、沖縄など全国各地からエントリーが寄せられているとのことだが、初の大阪開催となる本大会には少しでも多くのご来場者をお迎えしたいものだ。
思えば生涯のうちで国民の2人に1人ががんになる、つまりがんが、いわゆる国民病になったにもかかわらず、それに対抗しようというムーブメントが日本で起きないのはなぜか? 世界的な先端医療の導入や開発が進まないのはなぜか? こうした日本の現状に疑問を抱いて立ち上がることに決めたわけだが、2016年を契機にその原因が明らかになった以上、今大会は「すべてのがんにリベンジを!」という、いささか挑発的なキャッチコピーにさせていただいた。
たとえば今年、ノーベル賞候補として脚光が当たった免疫学の権威・岸本忠三先生が大阪大学学長だった頃から同氏は、すでに医療機関が新しい治療法を生み出すことを放棄したなら、それはもはや巨大なクリニックでしかないという観点から「医療機関や拠点病院こそ新しい治療法を生み出さなければならない」という趣旨の理念を提唱されており、そのDNAを受け継いだ大阪大学医学部は今やノーベル賞候補が群雄割拠しているではないか。私は何度も繰り返しているが標準治療は確かに素晴らしいことは認めている。
しかし希少がんや難治性がんの患者の方々にとっては新しい治療法の開発や新しい薬品は必須なのである。
どう考えても、やはり患者にとって治療の選択肢が多いこと、またそれが効果ある低侵襲治療であればあるほど肉体的、精神的負担が少なくて済むわけだ。
それを忘れて標準治療以外の治療は大規模治験を経なければ全部インチキだという論調には体を張って、それは違うと言い続けてきたのである。
倫理上、道義上はもちろん今回の新型コロナウイルスのような緊急事態において、そうした統計学的エビデンス絶対主義などの考え方は古いものであり、緊急事態には緊急事態に対応、即応したやり方を選ばなければならないのだ。まして希少がん、難治性がんの患者の方々に適用する薬剤にも偽薬を投与する大規模治験を迫る方が常軌を逸している。
しかも、いつまでも患者に対して上下関係を築き上げて喜んでいるような医療者はすでに時代遅れである。手がないのであれば、緩和へ! と患者を放り出す前に、まず手はないのかをチームの英知を結集して探し出す。そういう真のチーム医療を率先して主導する医師がこれから何人現れるか。
またすでにそれを実践している医師と患者が巡り合うことができるのか。
少なくともがん撲滅サミットで行われる公開セカンドオピニオンは複数の医療機関の、しかも違う治療法の名医たちが、それぞれの角度から会場にいる希望者の症状に合わせてアドバイスを繰り広げてくれる。
これこそが真のチーム医療だと私は断言しておこう。
なぜなら1人の医師が患者の皆さんにアドバイスをおくるのであれば、院内のセカンドオピニオンで十分だ。
しかし、治療形態の違う、それぞれ別の医療機関の名医が一人の患者の方に全神経を集中し、アドバイスを送ってくれるのはがん撲滅サミット公開セカンドオピニオンならではの光景なのである。
皆さんも、ぜひ会場に足を運んで実際にご体験いただきたいと思う。
なお当日、会場で行われる『世界がん撲滅サミット2021大阪宣言』では、いよいよ画期的な提案を行う予定にしている。
今年、私が無事に会場に現れることができるかどうか、も含めて今年は本当に楽しみな大会である。
なぜなら、いよいよここから古いがん医療の時代が変わるのだから。
そのうえでアフリカの格言に『早く行くなら1人で行け、遠くへ行くならみんなで行け』という言葉があるが、わたしはそこに『誰も行こうとしないなら、まず自ら歩き出せ!』を付け加えよう。
朝夕冷え込んで参りました。皆様、どうぞご自愛ください。
『世界がん撲滅サミット2021 in OSAKA』
すい臓がんブレークスルー・プロジェクト提唱者
中見利男拝