救世主の条件

 寒中お見舞い申し上げます。
 今年もどうぞよろしくお願い致します。
 さて、昨年12月に角川書店より『救世主の条件――キリストの暗号』(上・下巻)を刊行させていただきました。
 本書はケネディ大統領を主人公としたもので、かつての先人たちがどのように知恵を絞り、核戦争の危機を回避しようとしたかをテーマとした暗号エンターテインメントです。キリストが世界の破滅と最後の審判を招き寄せる人物として暗示した666、つまり世界最高の暗号解読に挑んだ作品です。
 ご存じの通り、2012年は各国の大統領選挙をはじめ、EUの凋落、イランの核開発疑惑、さらにはアジアの不安定化など諸問題が山積しており、文字通り大波乱の年となりそうです。このような情勢を予期しながら数年前より執筆して参りました。
 お陰様で発売以来、政治家や政府関係者、また読書家の皆様から面白い! と好評を頂戴しております。まだ御存知ではない読者の皆様にも、ぜひ御高覧いただきたく存じます。
 今年は日本にとっても最大の試練を迎える年になるでしょう。しかし、この国は必ず復活し、世界の新しい価値観を創造出来るだけの伝統と潜在能力を備えているのです。
 忍耐の心を以って切り抜けましょう!
 そのためには、まず人と同じことをやるのではなく、打破創造の心構えを常に忘れないことです。他人を見て横並びになるために使うエネルギーがあるのなら、自分だけにしかできないこと、ボランティアでもいい、絵画でも、書道でも、花道でも、武道でもいいから、とにかく少しでも自分の潜在能力を伸ばしていくことにエネルギーを注ぐべきです。人のマネをして楽に暮らそうなどという時代はすでに終わっています。
 それよりは世のため、人のため、自分のために生きることが新しい日本の価値として定着していくでしょう。
 そういう意味で、キリストが何を我々に告げたかったのかを知っておくことも決して無駄な作業ではないと思います。
 皆様のご健康とご活躍を心よりお祈りしております。

中見利男拝

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