立冬も過ぎまして益々寒さが増しておりますが、皆様におかれましてはご健勝のことと存じます。
さて、2018年11月18日(日)東京ビッグサイトにて開催いたしました第4回がん撲滅サミットは当日、御来賓をはじめ約1100人の来場者をお迎えして大成功の裡に終了いたしました。
午後12時50分から行われた被災地支援チャリティ贈呈式では西日本豪雨災害で水没し孤立した倉敷市真備町のまび記念病院から理事長の村上和春先生にご来場いただきました。そして目録を佐治重豊大会長からお渡しをいただきました。
今後とも被災地の皆様を応援させていただきたいと存じます。
また当日のご講演、公開セカンドオピニオンは希望の光が見えてきましたと多くの患者の皆様から感謝のメッセージを頂戴しております。ところで、私のHPのタイトルは『不易流行と武士道』です。私の武道の師は、かつてこう語りました。
「中見君。本来の武士とは自分の住んでいる街、人たちが悩み苦しみ途方に暮れたとき、たった一人で敢然と起ちあがり、明日の姿を指し示して街の人々を勇気づけてあげられる人のことを言うのだよ」
その師とは、植芝盛平翁の直弟子でフランス、イタリア・シチリー島を中心にヨーロッパに数々の格闘家やナイフ使いと実戦を繰り返しながら合気道を広めた伝説の武道家 故・小林裕和八段です。以来、私はこの言葉を胸に歩んで参りました。
がん撲滅サミットを提唱したのも実はこの師の言葉が胸に刻まれていたからこそです。国民が途方に暮れている以上、敢然と一人でも立ち上がらなければならない。つまり私をがん撲滅に立ち上がらせたエネルギーは故・小林裕和師が説いた武士道だったのです。
私はまた小林師範の次の言葉も大事にしています。
「中見君。身を守る技術として礼節が存在する。しかし誠意のない礼節や優しさ、強さのない優しさは何の武器にもならない。礼節さえも、ただひたすら頑張って、その力を身につけなければならない」とも指導されたことを思い出します。
そんな思いで第4回がん撲滅サミットを迎えたのですが、やはり会場のキャパシティもあって前日までにお問い合わせをいただいて入場を希望された方々をお断りさせていただいたことは本当に胸が痛む思いがいたしました。同時にせっかくのチケットを粗雑に扱われている方の存在もチームスタッフから報告が参っております。患者の皆さん、ご来場者の皆さんにも、やはりマナーは必要です。
考えてみてください。想像してみてもらえませんか。
確かに入場無料のチケットではありますが、その裏には無料で来ていただきたいと車を走らせ協賛社の皆さんにお願いに行った人がおり、もしかするとそのうちの一人は無理がたたって6月に病気で倒れても、それでも「私はがん患者の皆様のために頑張ります」と再び立ち上がって協賛社、後援者周りに挑戦してくれた人がいたのかもしれません。また一枚の入場チケットではありますが、それを使うことで自分ばかりではなく、他人にも勇気を与えることができるかもしれません。また、その一枚を求めて必死の思いで締め切った後、事務局にお電話をくださっても泣く泣く断られた方がいるかもしれません。ある方にはサミットはおまけでも別の方はサミットに命懸けで来られているのです。
そして、こういう「頑張る!」人々をサミットは応援したいと思います。
「頑張る!」
これは心の責務を負うことではなく、前向きに挑戦していこうという意味でとらわれるのであって決して呪いの言葉などではありません。何より謙虚、謙遜の心、相手に感謝する心がなければいくら頑張っても報われることはないでしょう。
頑張らなくても良いよなどと、今の私は申し上げるつもりはありません。あなたの頑張る姿を誰かが見ています。生きることは頑張ることなのです。
ただ心の負担をできるだけ軽くするために皆で励まし合う場こそ、がん撲滅サミットです。来年も、ぜひ第5回がん撲滅サミットという患者の皆さん、ご家族、友人の皆さんの第2のホームタウンにお帰り下さい。そうです。皆さんには第2のホームタウンがあるのですから。
だいたい家に戻るのにお金を払う人はいないでしょう。ただし、自宅に入るのも鍵は必要です。チケットはホームタウンに入る鍵と同じです。どうか大事にお使いください。
また2019年11月17日(日)東京ビッグサイトでお会いいたしましょう。
それまで、ぜひ頑張って前進しようではありませんか。
御多忙と存じます。どうぞご自愛ください。
中見利男拝