おかげ様で『世界がん撲滅サミット2023 in OSAKA』(https://cancer-zero.com)が11月3日(金・祝)正午より大阪国際会議場で開催され盛況のうちに終了することができた。
三連休の中でもよく健闘したほうだと私は思っているが、とりわけこれまでの大会の中で今回のサミットはもっとも充実した内容だったと思う。
公開セカンドオピニオンの会場では主にすい臓がん患者の方が挙手をされ、ご自身の深刻な症状、あるいは奥様の代理として懸命に質問を投げかけられたご主人の姿が印象に残っている。
特にすい臓がんが原発で発症し、その後、各部位に転移しているステージ4の女性のことが気になった。こんな重い症状を抱えながら、わざわざサミットに足を運ばれたのだ。そして司会進行を務めるステージ上の私の目の前で彼女の生命は輝きを放っている。
しかし手立てがないのである。
生きたいという強い思いとがん医療の限界の狭間の中に肩をすぼめた彼女が、しかし凛として座っている。
私は進行しながら時々彼女や彼らの姿を目に焼きつけた。
そこに生命の灯が輝いている。
これを何とかしたい。
人間ならばそう考えて当然だ。
国は、なぜすい臓がんを半ば放置してきたのか。
動け! 政府よ! 医療界よ!
ここに座っている彼女たちの生命の輝きが見えるのか? 見ようとしているのか?
がん撲滅サミットに否定的な者たちよ。一度、この会場に来るがいい。私は病院で何人もそういう人を見ていたのだ。今さら……。などと言う者は即刻、医療者を止めた方がいい。あなたたちが生命の尊さを忘れていいわけがない。
逃げるな! 闘え! 彼女、彼らの生命を輝かせるために力を尽くせ!
私は心の中でそう叫びながら進行を務めた。
誰も彼女たちの、彼らたちの生命の灯を輝かせられないのなら、せめて私だけでも声を大にして叫びたい。
すい臓がんドックを推進しよう。
すい臓がんを含めた新しい治療法の開発に全力を注ごう。
生命はそこで輝いているのだ。
生命の灯を消すな!
がん医療界の人々よ。
とりとめのないことを書いたが、どんな美辞麗句も彼ら、彼女たちの生きたいという思いにはかなわない。
厚労省の皆さん、そろそろ手がないのなら、代替医療を再評価し直してはどうか?
心の安定を得たりストレスを解消することができないか? もう一度、評価し直してはどうか。
すべてを偽医療で片付けてはいけない。
もう少し冷静に科学的かつ医学的に検討し直したらどうか。
私は医師の回答を聴きながら次第に元気がなくなっていく彼女のぽつねんと座っている姿を見て、マイクを通してこんな声を投げた。
どうか希望をもってほしい、と思います。なぜなら希望は良薬です。
希望という良薬を日々自分の体の中に吸収してください。
勝負はそこからです、と。生命を輝かせる。その工夫を誰も否定できるわけがない。もし偽医療に彼ら、彼女たちが走るのを防ぎたいと言うなら、医療者や自身の手で病を止めてみよ! 生命の灯を輝かせてみるがいい。
それができないのに、容易に最善最高などと吹聴しない方が良い。
彼女や彼らには生命を輝かせる権利があるのだ。誰も安易に奪ってはならない。
そしてすい臓がんや肉腫など難治性のがんや小児がんを撲滅することに私は次の希望を見出すだろう。
最後に世界がん撲滅サミット2023 in OSAKAの開催に協力してくださったすべての人々に私は心から御礼を伝えたい。