『不易流行と武士道2021~当たり前の事を当たり前のようにやる!~』

 豪雨が降り続き被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。天候も不安定となっておりますので、皆様どうぞお気をつけください。
さて最新のお手紙をお届けさせて頂きます。

 熱狂的なオリンピックも終わり、パラリンピックにステージが代わっていくが、選手の皆さんには日々の積みかさねで築き上げた成果を存分に発揮されることを心より願っている。

 オリンピックの反対運動も収束し、国立競技場周辺にも静寂が訪れたが、一方で目を転じると都心をはじめ新型コロナウイルスが猛威をふるっている。

 これに対して医療崩壊が起きているというニュースが流れない日はないが、その一方で現実的には新宿区内の大病院では感染者が若い世代なので退院も早く以前のように混沌とした状況にあるわけでもないと聞く。

 これは高齢者へのワクチン接種がかなり浸透した事とも関係があると思われる。

 今、問題なのは自宅療養者が重症化していくことに対して後手後手に回っていることだ。

 これも野戦病院を早急に組み上げたり、ホテルを新たに抑えるなり、あるいは検討が始まりつつある新型コロナウイルスの扱いをインフルエンザ並みにして近辺のクリニックでも診察・治療対応が出来るようにする。

 イベルメクチン等の治療に使える薬を一早く承認して同意があれば、自宅療養者も服用が出来るようにする。
 要は患者を放置したままにしないことだ。

 経過観察だけで放置したままにすれば誰でも重症化するのは必定ではないか。

 これも当たり前の事を当たり前にやることだ。

 また自治体の首長をはじめロックダウンを主張する一定層の人達がいるが、ロックダウンの権限を一旦国が行使すれば私権制限を行える実績が出来るためこれから、いわゆる戒厳令のようなことが容易になるというリスクがある。

 また、ロックダウンが与える心理的圧迫によってパニック障害を発症するケースやストレスによって別の病を発症するケースも実際に起こっていることを承知の上で首長たちはロックダウンを口にしているのか、と不思議に思うのだ。

 病は人間だけではない。当然、ロックダウンによって経済活動も事実上ストップするため国の経済そのものが重症化して、その揚げ句、雇用に滞りが起こり、最終的に人々を苦しめるという予測もあるというのにだ。

 ロックダウンを主張する前にやらねばならないのは、まず医療体制の再構築ではないか。

 そのための提案を自治体も分科会も行ってはいるもののメディアはそちらではなく人流抑制策をクローズアップしているようだ。

 ならば自治体や分科会としてメディアに医療の再構築をきちんと提言しているのだから切り貼りだけはやめて欲しいと再度発信してはどうか。

 ワクチン接種が進んでいる以上、すでに感染症の専門家からステージは抗体等の免疫学の専門家、臨床現場で実際に治療を行い成果を挙げている医師グループに移りつつあるのだ。

 しかも人流抑制策のみの手段は国民の間からも距離を置かれてしまっているように思われる。

 だからと言って極端にロックダウンをやれ!

 知事や総理は今すぐ辞めろという主張をメディアで繰り返した医療者等は論外だろう。

 怒りは分かるが、ご本人は医師なのだから現場に出て、ご自身の病院対応を自ら改革した上でモデルケースを構築して見せた後、全国にも広めて欲しいと政府に主張するのが本分というものではないか。

 実際に相馬市の立谷秀清市長は次々と相馬モデルを構築して災害対応ばかりかワクチン接種、医療体制の構築に目覚ましい成果を挙げている。

 市長は医師の顔を持っているから余計打つ手が早いのだろう。

 しかしその裏には首長として、医師として一人でも多くの命を救いたい。
そのためには具体的にどうしていくのか、そのためには国にどのような協力がして欲しいのか、提言する。進言する。

 こうした当たり前の事を当たり前にやっておられるのだ。

 現状、経済再生はどうなっているのか?

 人の命を救うのは医師だけではない。本来大局的には政治の役割ではないか。
 一体誰が経済再生を担っているのか。

 究極は国民だが入口を固め、国民をサポートするのは政治家の役割ではないか。

 例えば自治体の給付金作業が遅ければ勧告をして飲食業等の協力者に対して早期振り込みを促すなどの発信をしてはどうか。

 勧告だけではない。他にも新型コロナウイルス対応のためにロボットを導入したり、オートメーション化に取り組む企業、工場に対してコロナ対応ロボットイノベーション推進支援を行ったり、自宅でフィットネスを実施するためにランニング・ウォーキングマシーンを購入、あるいはトレーニング器具を購入しようという人々のために新型コロナウイルス対応ホームフィットネス推進支援を行い、通販業者と連携してポイントを増やして購入を促進すれば、購入者も助かるし、通販業者はもちろんフィットネス製品製造業界も活性化するだろう。

 何より自宅にいる事の多い現在、人々の生活習慣病の克服にも繋がるのだから一石三鳥ではないか。

 またテイクアウト商品を開発したり、製造している業者に対しても新型コロナウイルス対応テイクアウト推進支援を手厚く行うことなどきめ細かい策を多層的に実行することで少しずつ町に経済の息吹きが甦って来るのではないだろうか。

 新型コロナウイルス禍においても経済再生策はやろうと思えばいくらでもやれるのだ。
 要はピンチをチャンスに変える発想を持つことだ。

 今はあまりにも新型コロナウイルスの勢いに呑み込まれてしまっているため、すべてが萎縮しているのではないか。

 その暗雲から国民を救い出すのも時として政治家の役割だろう。

 これも政治家として当たり前の事を当たり前にやることだ。

 すべての国民はそうだとは言えないが多くの人々は出来るだけ自宅にいて、生活圏の中で一生懸命出来ることをやっているのだ。

 今さら重箱の隅をつつくような注意喚起を何度も何度も行っても、もはや効果を失いつつあるのだから、それを上回る解決法に向けて叡知を結集する時が来ているのではないか。

 そのためには政府や自治体に『新型コロナウイルス克服タスクフォース』をこれまでの仕組みの変えて発足させるなど、一層大胆に新型コロナウイルスを倒すための作戦本部を強化して国民に対して強力に実行策を発表・実行するなど今こそ人心を取り戻すべきだろう。

 幸い国産ワクチン、国産内服ワクチン、抗体カクテル、粉末ワクチンなど有望な治療薬も登場してきたのだ。
こういう薬品の開発、承認をスムーズに出来るように応援体制は更に強化していくべきだろうし、自治体の首長や分科会は強く政府に提言するべきだ。

 つまり当たり前の事を当たり前にやることだ。

 また三好立医師も警鐘を鳴らしているように開業医の皆さんにワクチン接種担当を依頼しても日にちや時間が固定され1日拘束されるため協力したくても出来ないケースが具体的に起きているようだ。

 なぜ現場の医師の話を聞いてから募集を始めないのか。1日拘束とは別にパ-トごとに募集をかける2つの方法でも構わないのではないか。

 要は打ち手を確保して接種がスムーズに運べ良いのだから。
 これも当たり前の事を当たり前にやることだ。

 このように残念ながら今の日本ではあまりにも当たり前の事を当たり前にやることが出来なくなってしまっているのではないだろうか。
例えば生涯のうち国民の2人に1人ががんになるという、まさにがんが国民病となってから久しい。

 その間、多くのがん種で治療薬や治療法が開発されて生存率は上昇している。
しかしながら脳幹グリオーマやすい臓がん等の希少性、難治性のがん種はまだまだ。

 がんに苦しんでいる人々も未だに増え続けている。

 だからこそがんを撲滅しよう!撲滅したいと願い、行動を起こすこと。

 人として当たり前の事を当たり前にやるだけだ。

 多くの人々が抗がん剤の副作用で苦しんでいる。
 ならば、副作用に苦しまなくするにはどうすれば良いのか、その方策を探るため専門家が叡知を結集する!
 当たり前の事を当たり前にやることだ。

 当たり前の事を当たり前にやることで少しずつ救われる命や希望が広がっていくのではないだろうか。

 朝、太陽が昇り、夕方になると沈んでいく。しかし翌日になると再び太陽が昇って天に燦然と輝いてくれる。そして早朝から近隣を掃き清め、夕べの町を綺麗にするために動き始める人達がいる。

 こういう事の積み重ねが人の世に希望をもたらしてくれるのだ。

 当たり前の事が当たり前に行われていること。

 こんなにありがたいことはない。
こんなに尊いことはない。

 だからこそ、もう一度日本人は当たり前の事を当たり前のようにやれる力を取り戻さなければならない。

 暑さが戻りつつありますが、皆さんどうぞご自愛ください。

中見利男拝

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