錦秋の候、皆様におかれましては益々ご清祥のことと存じます。
今回は以下のお手紙をお届けさせていただきます。
お陰様で『世界がん撲滅サミット2022 in OSAKA』が11月3日(木・祝)開催され、大成功の裡に終了した。今大会はこれまでの大会と違いさらにレベルアップしたという感想と、感激をしましたという御礼の言葉がたくさん届けられている。
とりわけ、公開セカンドオピニオンで「生きるとはどういうことでしょうか?」と質問された女性がいて、会場が一瞬静まり返ったことは深い印象を持って今も蘇ってくる。
その女性はまるで会場にいた人たちだけでなく、最近、命を粗末に扱ったり、平気でもう手はありませんなどと言ってがん患者を突き放す医療者に向けて突き付けるように、前述の鋭い刃のような質問を投げ込んできたのである。そしていま私はこの女性の「生きるとはどういうことでしょうか?」という質問こそが今後のサミットの方向性を示したものではないかと今は感じている。
生きる、すなわち生命の尊さを追求する。
少なくとも、そのことがベースにならなければならない。
今の私は生きているだけで感謝している。朝目が覚めると、約10%しか動いていない心臓に、まず感謝の気持ちを伝える。そしてゆっくりと起き上がる。手足を動かすときも、呼吸を整えるときも、自分の体はもちろん、支えてくれている人たちに対して、感謝という言葉しかないのだ。
つまり、私にとって生きることは、感謝することと同意義語なのである。
実はサミットにもすでに皆さんの息吹が投入され、生命を帯びているのではないかとさえ感じている。我々が生きて感謝することが、さらにサミットを長く生きながらえさせてくれるのである。そして活気ある今大会の公開セカンドオピニオンで交わされたような息吹が、このサミットに投入され続ける限り、サミットはがんを撲滅するまでわれわれと共に生き続けることは言うまでもない。
すなわち生きるとは、普通にやれていることを普通に続けていく、そしてそのことに感謝すること。それ以下でもそれ以上でもないだろう。医療者の皆さん、患者の皆さんはこのように生きるとは何かを考えながらあなたと向き合っていることをどうか忘れないでいただきたい。果たしてその答えを用意することができるのだろうか。標準治療さえやっていれば、そんなことはどうだっていいのだなどと考えている人はいないはずである。いや、いては困るのである。
1人の女性の質問に、私は今そのようなことを感じた次第である。
ところで私は知人から面白いTwitterでのやり取りを聞くことができた。それはVeng氏と夏なつ氏と仰る二人の人物のTwitter上でのやり取りである。
Veng氏が大阪府の公務日程に吉村府知事のスケジュールとして『世界がん撲滅サミット2022 in OSAKA』の出席が記載されていないことは不自然だと告げると、夏なつ氏が去年は参加しているようです。と答え、さらにVeng氏は第1回の会場は菅(ママ)のお膝元の横浜市(中略)菅(ママ)が関わっているかもしれませんね、と見事な迷推理を展開すると、夏なつ氏は、なるほど!と膝を打ってみせるのである。
まさに迷探偵登場だ。
吉村府知事のスケジュールについては、大阪府の知事の日程(大阪府/知事の日程 (osaka.lg.jp))を確認すればわかることで、11月3日13時から『世界がん撲滅サミット2022 in OSAKA』への参加が公表されているのだ。
このようなことはすぐに調べればわかるであろうし、また横浜にはパシフィコ横浜という日本でも有数の国際会議場があるのだ。ここでのこのような会議の開催は日常茶飯である。いちいち菅元総理の名前を出すことさえ、憚られるような初歩的なことである。単に国際定位放射線治療学会学術大会が横浜で行われ、同時にサミットも共催で開催したという次第である。
お二人の迷推理がどんどんあらぬ方向に行く前に私からアドバイスを送っておこう。
証拠のない推理を邪推と呼ぶのである。
以上、われわれの『世界がん撲滅サミット2022 in OSAKA』には表も裏もない。ただ人を助けたいという思いでやっているのだ。自分に裏表があるから、他人にもあるだろうなどと邪推するのもいい加減にした方がいい。
というわけで、われわれは来年も志を持って『世界がん撲滅サミット2023 in OSAKA』を11月3日(金・祝)大阪国際会議場で開催する。
皆さん、また来年お会いしましょう。
最後に今大会にご参加された方でご自身のお悩みがある方はできるだけお応えしたいと思う。大会HP(https://cancer-zero.com)で年内いっぱい受け付ける予定である。
寒暖差が激しくなっていますので、ご自愛ください。
中見利男拝