新年あけましておめでとうございます。
皆様ご多幸とご健康を心よりお祈りしております。
さて、2021年早々に吉報が入った。
世界初の開発となる藤堂具紀教授のウイルス療法G47Δの承認申請が昨年末、第一三共側から行われ、それが2020年12月28日(月)付でPMDAに無事に受理されたというものだ。
これでこの間、様々な障壁の前に立ちすくむことの多かったG47Δにようやく日の目が当たることになるわけだ。
厚労省、PMDAには先駆け審査制度を活用し、ぜひ早期承認を目指していただきたいところだが、その前にPMDAの皆様をはじめ御礼を述べなければならない。
まず希少がんをはじめとするがん患者の皆さんのために世界初のG47Δを開発していただいた藤堂具紀教授へ。
そして難しい生産にチャレンジし、2020年12月末に見事に既定の生産ロットを達成したデンカ株式会社の皆様へ。
さらに様々な圧力に対して困惑した藤堂教授からの真摯な相談を受けて動いた私の話を丁寧に聞いて下さり、改善を急いでくれた厚労省幹部の方々とPMDA担当部局である厚労省 医薬・生活衛生局 医薬品・医療機器審査管理担当の皆様へ。
さらに、なかなか進まない申請に対して怒りと不安の声を『日米がん撲滅サミット2020』の患者ファーストSOSに投稿してくださった患者、ご家族の皆さん。今になってようやく明かすが、中にはPMDAに対して訴訟を起こそうと決意した、という切実なコメントさえあったことを添えておきたい。
そして申請を粛々と行ってくれた第一三共の皆さんに。
最後になったが、PMDAのやり取りのなかで遅々として進まない承認申請に対して困惑し、憤慨しつつも弱っていた藤堂具紀教授を見かねて「G47Δをがん患者の皆さんに一日も早く届けなければならない。そのために中見さん、全力を尽くして承認申請の実現に向けて動いてほしい」と直接厳命をくださった最高顧問 牧野徹先生。
さらに厚労省に直接足を運びG47Δの障害の一つ、カルタヘナ法に対して、これを厚労省が医薬品に応用をする場合に限り撤廃するよう求めてくださった原丈人大会長。
加えて声なき声で声援を送ってくださった皆さん、天上でG47Δの実現を待っていたであろう小児がん、希少がんで亡くなった患者の皆さん。悔しい思いで看取られたご遺族の皆さんに。G47Δの治験に参加、ご協力いただいた皆さん。
こうしたすべての人々に感謝申し上げたいと思う。
流れから行けば、いよいよ2021年1月より審査が開始となるわけだが、PMDAの皆さんにおかれては安心安全を追求するために科学的に審査を重ねられることと思う。しかし、そこに決して人道的、倫理的観点を見失わないようにしていただきたい。また既得権益を守る人々の声に惑わされることも自重していただきたい。
G47Δウイルス療法に携わったことのない専門家と称する人々が既得権益を守るために茶々を入れようが厚労省もPMDAも決して動じてはならない。
なぜなら、あなたたちには国家国民の生命を守るという一大使命があるからだ。どうか一日も早い承認に向けてオールジャパンで動いていただきたい。
そういう意味でがん撲滅サミットの重大な使命の一つ『G47Δ承認申請の実現』という特別なミッションは終了したわけだが、あとはいよいよ承認に向けた動きをオールジャパンで注目していきたい。そして一日千秋の思いでG47Δウイルス療法の実用化を待つ人々の手に果実を一日でも早く届けて見せること。
さらにいえば、有望な治療法Xでデータが揃ったものについては、それによって少しでも救われる患者の皆さんがいるならばG47Δ同様に我々はXの承認申請に向けた動きを支援していきたい。
これこそが第二のミッションの始まりなのだ。
2021年、皆さんのお力添えを今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
中見利男拝