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『不易流行と武士道2017
〜がん撲滅に立ち上がった明治の男たち!〜』
 残暑お見舞い申し上げます。
 第3回がん撲滅サミットへの入場ご希望者の皆様のお手元には入場チケットが届いていらっしゃることと存じます。
 当日はどうぞお気をつけてお越しください。

 先日、乳がんの世界的な名医・大野真司先生(公益財団法人がん研究会有明病院 乳腺センター長)とお会いして、公開セカンドオピニオンの打ち合わせを致しました。
 やはり、名医ともなれば大所高所から物事を判断し、対立ではなく融和を心がけておられるのだと心が洗われた気がしました。皆さんも当日、大野先生のお人柄と世界に誇る最新のお話をお伺いしてみてください。
 乳がんでお悩みの患者さんや今、ご家族で悩みを抱えておられる方も大野先生のお話を聞くだけでも希望が見えてくるのではないかと思います。たとえ自分の思いと違っても大野先生は、それを尊重しながらも現実に向けて前進するために優しく背中を押してくださることでしょう。
 本日は、その大野先生が所属されている公益財団法人がん研究会有明病院が、なぜ今回、第3回がん撲滅サミットに主催団体として名を連ねたのかが明快になるお話を紹介させていただきます。

『今年11月12日(日)午後1時〜パシフィコ横浜 会議センター1階メインホールで開催される第3回がん撲滅サミット(HP http://cancer-zero.com)は、オールジャパンでがん撲滅に向けて立ち上がろうという趣旨で開催されるが、驚くことにこの動きはすでに109年前の日本で始まっていたのである。
 今や日本はもちろん世界でも有数のがん専門病院となった公益財団法人がん研究会有明病院の前身『癌研究会』がそれだ。

 このとき、日本の政財官医療界の重鎮だった青山胤通(たねみち)、山極勝三郎(やまぎわかつさぶろう)、桂太郎、渋沢栄一らが中心となり、がん撲滅に向けて行動を開始したのである。青山胤通は明治天皇の侍医、宮内庁御用掛を務めた東京大学医科大学校内科第一講座の教授で、森鴎外とも親交があり、樋口一葉の主治医でもあった。
 そして山極勝三郎は1915年(大正4)に世界で初めてがんを人工的に発症させた人物で、これによってがん研究は飛躍的に進むことになった。このとき山極は弟子の市川厚一とただひたすらウサギの耳にコールタールを塗り込み続け刺激を与えることで、ついにがんを発症させることに成功。人工的にがんが発症できるなら、人工的にがんを治すことも可能だとの道理を世に示した。
さらに、がん撲滅への挑戦に日本実業界の父と呼ばれる渋沢栄一という大財界人が加わっていたことは特筆すべきではないだろうか。
 金銭の損得勘定を追求していけば経営陣や従業員の健康があってこその経済活動だと誰しもが気がつく。だが、重要なのは国家、国民という大舞台があってはじめて経済活動やビジネスは成立するのだという『経世済民』の理念に立ち戻り、国民を救ってこその経済人であるという覚悟を持てる財界人は意外と少ないのではないだろうか。
 そういう意味で、今から109年前に財界人として、がん撲滅に立ち上がった渋沢栄一の姿勢や行動には現代の我々も見習うべきものがある。

 だが、先人の理念、理想から109年が経過した今も、がんとの闘いは一進一退を繰り返しており、ようやく克服への道が見えてきたというのが実情である。
 しかし大事なことは109年前にがんを撲滅しようと夢見た男たちがこの国にいたという事実であろう。ある意味、彼らが挑戦を決意したのは単にがんという病だけではなく、それが自分たちの世代で果たせなければ後世の日本人にそれを委ね、託すことによって実現を果たそうと考えていたのではないだろうか。

 ならば彼らの夢を受け止めて、我々も立ち上がるしかないだろう。そういう文脈において言えば、第3回がん撲滅サミットには武藤徹一郎大会長、がん研有明病院 山口俊晴病院長、乳がんの権威 大野真司医師ら、先にご紹介した先人たちの夢と志を継承した平成の青山胤通、山極勝三郎、渋沢栄一らが登場するのだから、実に不思議な因縁である。
 特に今回登壇する大野真司医師はTBS系列放送の『情熱大陸』にも出演した世界的な乳がんの権威であり、自らNPO法人の中心となって乳がん患者の方々のために支援活動を行っている。 しかも乳房再建手術のスペシャリストでもあり、『情熱大陸』出演後は、さらにセカンドオピニオン希望者が殺到している。そもそも、この技術は2013年に保険適用となったため、それまで100万円前後かかっていた手術費用が約30万〜40万円となり、これに高額療養費制度を利用すれば、さらに自己負担が減少することから大野医師に予約が殺到するようになっていったのである。
 109年前にがん撲滅を夢見た男たちの魂を受け継いだ武藤徹一郎大会長、山口俊晴病院長、大野真司医師ら、がん研究会有明病院の精鋭たちが多くの患者を救っている姿を見たなら、彼らはきっとこう言うだろう。
「諸君。我々は癌研究会を創立して本当に良かった」と。』

 つまり109年前の日本に我々同様、がん撲滅を目指していた同志がいたという事です。そして第3回がん撲滅サミットにご来場いただくこと、それ自体が先人と共に歴史を紡ぐ作業に参加することにほかなりません。

 それでは当日、皆さん、パシフィコ横浜でお会いしましょう。
 御多忙と存じます。どうぞご自愛ください。
中見利男拝
<写真は一部wikipediaより。引用参考文献『癌研究会百年史』(癌研究会百年史編纂委員会)その他>
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